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トマト祭りの狂気混沌!ラ・ロンハ in ブニョール、バレンシア(スペイン)

トマティーナ当日!混沌!スペインのバレンシア(Valencia)は、地中海性気候で温暖なため、有名なバレンシアオレンジや米の栽培なども盛んらしく、パエリア発祥の地とも言われてるそうです。
この町の3月中旬の火祭りが有名ですが、8月末には近郊の町ブニョールで、奇祭・狂祭とも言われるトマト祭り(トマティーナ)が開催されます。人口1万人に満たない小さな町なのに、昨年2008年には約4万人もの人達がこの祭りに参加したとか。

ゆめぽろ(@yumepolo)です。こんちはっ!

この時期、昼はかなり暑くて夜も暑い。

2009/8/25の14時頃、タラゴナからの長距離バス[バレンシアへの移動情報]でバレンシアに到着。さっそくInformationでトマト祭り関係の情報収集。ブニョールへはバスも出るけど、国鉄電車Renfeの方が増便もされるし、席がなくても乗れるだけ乗せてくれるようなので便利そうだと分かりました。それから地図ももらって予約済みの宿の場所を探したけど見つからず。
バルセロナの宿で数日一緒だった大学生の男の子と会えたので、一緒に歩いて市内のInformationへ行きました。その子はそこで宿の場所がわかったので分かれて、私はもっと広域を扱うInfoを案内されました。私が宿をネット予約したのは2~3週間前だったので、安い宿は郊外にしかなくてその中からメトロや市バスで便利な場所のを選びました。結局、予約してたHOTEL BELERET[バレンシアの宿情報]へや市バスで行きました。
Infoではトマト祭りの情報も確認しました。昨年までは国鉄RenfeのNord(北駅)から行けたブニョールも、今年はサン・イシドロ:Sant Isidreという駅からしか行けなくなったようです。明日の下見と前夜祭前の盛り上がりを見るために、さっそく行ってみることに。宿からサン・イシドロへはメトロ1号線で1本で行けるので何気に便利。そこから国鉄で約50分。

トマティーナの標識トマティーナ前日の風景

ブニョール:Bunolは小さな町で、観光名所もほとんどありません。おそらく観光客がやって来るのは、1年に1回のトマト祭りの前日と当日のみでしょう。国鉄駅を降りてから何人かの住民に聞きながら、どんどん坂を下って行きました。やがて小さな広場に出て、そこから伸びる道を奥まで歩いていくと移動遊園地があって、子供たちのみならず、旅行者風の大人達までもが楽しんでました。
警察に翌日の祭り開催場所を聞いたら、もと来た方向にあるというので戻りました。なんとさっきの小さな広場がメイン会場であり市庁舎前なんだそうです。もっと広い場所を想像してただけに、ちょっとがっかりでした。でも最初は観光客向けの祭りではなかったそうので、これくらいの場所で十分だったのかも知れませんね。周りの家や建物にはブルーシートがかけられ、トマト害から防御してました。
トマティーナ:Tomatinaは、8月最終水曜日に開催される地元の祭りです。起源は諸説あるようですが、比較的新しい20世紀中頃から始まったと言われています。最初は町民どうしがトマトを投げ合ってたのですが、年々エスカレートしていったため中止された年もあるみたいです。やがて1959年にブニョール市政でいくつかのルールが決められて、今の祭りの形態になっていきました。

トマト祭りのTV撮影?トマト祭り当日の満員電車

そのルールで最も重要なのは「開始と終了の合図の前後には絶対にトマトを投げない!」「トマトは軽くつぶしてから投げる」など。それ以来、トマティーナは外国からの旅行者もたくさん訪れるほど有名な祭りへと発展していき、トマトはブニョールで用意してトラックでばらまくことになりました。ちなみにブニョールはトマトの産地とは無関係とか。わざわざこの日のために購入してるん?
私はバレンシアの宿へ戻るため、国鉄の最終電車で帰りました。最終は21:45なので前夜祭を見ることが出来なくて残念。行った人に聞いた話では、アルコールを飲んで騒いで踊ってみたいにして盛り上がりながら夜を明かすそうです。特にイベントなどはないみたい。このノリを体験したい人は、最初から野宿覚悟で行くのがいいでしょう。その方がより祭りの雰囲気を体感出来るような気がします。
8/26、いよいよトマティーナ当日!始発で行けばいいのに、朝食ブッフェ付だと聞いたら誘惑に勝てず食べてしまいました。お代わりまでして。それから急いで出発。朝8時頃メトロ駅を降りるとア然!国鉄駅の改札口へ向けて大行列。なかなか進まず、これで1本乗り過ごしてしまいました。なんとかギュウギュウ詰めの電車に座ることが出来ラッキー♪。車内では二日酔いか、欧米人が倒れこんだりしてました。

ブニョールはトマト一色トマティーナ当日!混沌!

電車は通常50分で着くはずなのに、時間調整ばかりで1時間半近くもかかってようやくブニョール到着。駅を出るのも一苦労だったけど、昨日行ったため道は分かるので、どんどん先へ歩いて行きました。しかしメイン広場から約50m離れた橋の手前辺りから、人混みで動けなくなりました。がんばってそこから奥へ奥へ進んで行ったけど、結局メイン広場から10~20mくらいまでしか近づけませんでした。
メイン広場では、トマティーナのもう1つの見ものである生ハム取り(パロ・ハボン)が行われるので、どうしても行きたかったのですが向かうのが遅すぎました。始発なら間に合ったのかなぁ。野宿して待つのが一番いい方法かも。
この日の生ハム取りは、1本の太い棒にたっぷりの石鹸(ワックス)を塗りたくりそれを立てて、先端に付けている生ハムのかたまりを取りに行くことを競ったそうです。取った人はこの日のヒーロー!しかし今年のヒーローは出なかったとか。一度に大勢が登りたがるため、足の引っ張り合いになって皆ワックスで滑り落ちちゃったらしいです。

さて広場まではたどり着けなかったのですが、人混みをかき分けてかなり中心部近くまでやって来ました。カメラは壊れると聞いてたので持って行かないつもりでしたが、やはりどうしても撮影したかったのでTシャツやパンツに隠し死守しながら撮影もコマめに行いました。スキンダイブ時に使う水中ケースがあればベストかも。なければジップロックでも代用出来るでしょう。スキューバ用のハウジングは水中以外ではくもり易いのでNGかも。
あの混沌の中、一眼レフを持ってきてる人はさすがに見かけませんでした。デジカメも流れトマトに当たると壊れる可能性があるので注意しましょう。またあまり高く掲げて撮影してると標的にされる恐れもあります。一番の天敵はバルコニーからぶっかけられる水です。ジップロックも何も被せない場合は、水のかからない端っこの屋根の下などに入って撮影しないと危ないと思います。
やがてバルコニーから住民がぶっかける水の頻度が上がってきました。トマトをつぶして投げてくるオヤジまで出てきたけど、これはルール違反なので飛んできても投げ返してはいけません。押しつぶされそうなほどギュウギュウ詰めの状態で、ジャンプしたり叫んだりして盛り上がりが最高潮に達してきたところで、パンッ!という花火のような合図の音が鳴ってついに戦闘開始!

トマティーナ当日!混沌!トマティーナ当日!混沌!

と言ってもまだトマトがありません。メイン会場の方向から飛んでくるトマトもまだ少ないけど、とりあえずそれを投げ合って楽しむ感じ。すると大型トラックがゆっくりとやって来て、トマトをばら撒いていきました。そのトラックが通り過ぎた場所から、狂ったようにトマトの投げ合いが始まりました。と同時に、いくつも頭や顔に飛んできました。本気で投げられたトマトはかなり痛くてびっくり。
トマトはつぶして投げるのがルールだけど、たまには青い硬いのも飛んできます。目の当たり所が悪い場合は失明する可能性もあるとかで、多くの人がゴーグルを着用してます。私もダイビング用のを着用。そして服もトマトまみれになったり破られたり(ルールでは破るのは禁止だけど…)するので、男女とも水着で来る人が大半です。それに不要になったTシャツを着たりします。
トマトはあちこちから飛んで来るけど、私より背の高い欧米人に囲まれてるためか、直撃が少なかったのはラッキーでした。そして私からも攻撃開始!周りで欧米人が壁になってくれてるので、攻撃に専念出来ます。ほぼ水平か少し上向きに投げるだけで背の高い欧米人を直撃出来るので楽ちん♪だし、気分爽快♪。投げられた人はどこから飛んできてるか分からないと思います。投げるトマトは足もとに落ちてるのを拾います。

投げあいはほんの1時間くらいだけど、その間にトマトを積んだトラックが何台もやって来て、それが通り過ぎるたびに壮絶な投げ合いが繰り広げられます。終盤間際には興奮してきてジャンピングしたり、Tシャツやらパンツ?っぽいのやらのトマトまみれになったものが飛んできたりと混沌(カオス)そのもの!今まで圧死した人が出てないのが不思議なくらいです。
私はある程度投げることに満足した後は、少し戻って屋根のある端っこに避難して写真や動画を撮影してました。でももうトラックが来なかったのでトマトを投げる場面はほとんど撮影出来なくて残念でした。トマト以外の物ばかり投げられてました。メイン広場は本当にトマトの海のようになってて、付けてたゴーグルが洗っても落ちないくらい真っ赤に染まってました。ここで動画撮影した人っているのでしょうか。
やがて花火のような合図がなって、今年2009年のトマティーナは終了となりました。通りや壁は真っ赤なトマトだらけ。それになんと言ってもトマト臭がすごい!トマトって野菜の中ではにおいの強い方だと思いますが、それが100トン以上もこの通りで割れてるのですから臭くて当然かも。多くの人が着てるTシャツを脱いで、投げたり捨てたりしてました。

トマティーナ当日!混沌!バレンシア。芸術科学都市

その後はあっという間に沈静化。通りのあちことでは放水が始まり、道路は放水車がトマトを洗い流します。参加者は公共のシャワーを浴びたり、住民が好意で浴びさせてくれる水ホースで体を洗ったりします。髪の長い人は大変そうでした。宿へ帰ってしっかりとシャワーを浴びないと取れないでしょう。トマトまみれになったTシャツなどは、ひどい場合は色もにおいも落ちないので捨てるしかないと思います。
バレンシアへ帰る国鉄電車は、すぐ激混みになって乗車制限されて長蛇の列になります。かなりの臨時便を出してたようですが、乗れたのは約2時間近く後でした。車内はかなりトマトくさい。皆疲れて車内で座り込み。バレンシアに着いたら、せっかくなので町の観光も楽しみました。まず芸術・科学都市をチラ見してから火祭り博物館:Museo Fallerへ。Plaza del Ayutamientから35番バスで行けるし、旧市街からも徒歩30分くらい。入場料:2ユーロ(学割1ユーロ)
この博物館では、毎年の火祭りで優勝して火をつけられずにすんだ山車の一部を展示しています。私はよく写真やTVで見かけた、大きな山車があるもんだと思ってました。しかし実際は山車のほんの一部のキャラクターのみの展示。なので期待が大きかっただけにがっかりでした。展示してるものは全てすごい作品ばかりなのですが。やっぱり本物の火祭りを見たいなぁと思いました。来年、または再来年などに機会があればぜひ!

バレンシア。ラ・ロンハバレンシア。ラロンハの柱

次にラ・ロンハ(絹の商品取引所):La Lonja de la Sedaへ。15世紀末、イスラムの王宮跡に建てられたもので、ゴシック様式の建築物としての評価も高く世界遺産として登録されています。祭りの日だからか、なぜか無料で見学させてくれました。最も目に付くのは、らせん状の柱が並んだ大広間です。天井にはアンダルシアで良く見かけたイスラム建築っぽい模様があります。庭には八角形の噴水跡?がありました。
次にカテドラル:Catedralへ。モスク跡に建てられたらしいカテドラルで、塔も付いています。中にはいくつもの絵画が飾られているけど、あまり特徴のない感じでした。しかしこのカテドラルの美術館では、なんと最後の晩餐でイエスが使ったと言われる聖杯を見ることが出来るそうなのです。それを期待して行ったのに、既に18:30の閉館時間を過ぎてて見れませんでした。。残念。
ところでこの聖杯は本物なのでしょうか。検査の結果、作成された年代や場所は矛盾してないそうです。ペトロがローマへ持ち込んだものがピレネーやスペイン内を巡って、バレンシアに辿り着いたとか。その経緯が分からないと本物かどうか判断するのは難しそうです。聖杯候補は他にもいくつかあるようだし。ダヴィンチコードや多くの小説・漫画でも扱われてる聖遺物。1つくらいはどっかで見たいなぁ。

バレンシア。ラ・ロンハバレンシア風パエリア

それから夕食を食べました。バルセロナではずっと自炊だったので久々かつ最後のスペインでの外食。パエリア発祥地バレンシアで、パエリアを食べたいという気持ちも強かったし。レストラン系をいろいろ物色した結果、ラ・ロンハとカテドラルの中心くらいで見つけた食堂に決めました。パエリア専門店ではなく、Menu del Dia(日替わり定食)でパエリアが付いてるのを選びました。冷凍ものの可能性もあるようですが。
2人で行って違うメニューを選びました。1人はバレンシア風パエリア(鶏肉とインゲン)とイカとポテトのフライ、もう1人は魚貝パエリア(エビ、イカ、貝など)と薄い豚肉ステーキとポテトフライ。パン、ワインかジュース、Postre(デザート。普通のプリン、カタルーニャ風プリン、フルーツ、アイス等)もセットで1人9.8ユーロ(約1,300円)。
結論から言うと、サンティアゴ・デ・コンポステーラで食べたパエリアの方がおいしかったです。バレンシア風は鶏肉やうさぎ肉がオリジナルだそうだけど、個人的には同じ料金なら魚貝パエリアの方が好きだし、断然お得な気がします。イカリングはどこで食べてもおいしい♪。スペイン最後にカタルーニャ風プリンも食べれて満足満足♪

カタルーニャ風プリンカテドラルのライトアップ

その後、メトロで宿へ戻って荷物を受け取ってから、またメトロでバスターミナルへ向かいました。深夜2時まで待合室で居眠りしたり、パソコンしたりしてバスを待ちました。そしてバルセロナ行きの長距離夜行バス[バルセロナへの移動情報]は約30分遅れの2:30に出発しました。
Gracias(グラシアス。スペイン語)「(最後まで読んで頂き)ありがとうございます」、
Buenas Noches(ブエナス・ノチェス)「おやすみなさーい」(-_-)zzz「コテッ」

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