国立公園には真っ白の砂丘が広がり、なんとそこにエメラルドグリーンの池がいくつも存在するのです。砂漠に多数の池というのは他で見れない神秘的な風景です。しかも池には魚が!
ゆめぽろ(@yumepolo)です。こんちはっ!
この時期、昼は暑くて夜は適温でした。ここはブラジル南東部のレンソイス(旅行写真ブログ)とは同名だけど別です。2008/9/12の午後、ジェリコアコアラからトゥトイアで1泊してからトラックバスで到着。30時間以上の移動でした。先進国ブラジルでも田舎の方はこんなに不便なのです。でもその分、自然の中を走ってこれたので疲れたけどプラマイゼロって感じです。バス降り場には宿の客引きがたくさん来てました。どこも予定してたより高かったけど1人だけ安い宿へ連れてってくれました。町外れのPOUSADA TERRAL。川のそばです。1人10レアル(約600円)
チェックインを済ませると、町の旅行会社で翌日のツアーを探しました。ついでにアティンス(Atins)への望みも捨てておらず聞いてみました。すると毎朝9時頃に川を下るフェリーがあるそうです。この川は名前は分からなかったけど、大西洋まで流れ込んでいます。そして大西洋に出る所に良き田舎村アティンスがあるのです。でも今回は日数的に無理なのであきらめました。残念だけど。
ところでバヘリーニャスは、これまた欧米人の大好きな町で一大観光地になっています。旅行会社もたくさんありました。私は何軒か偵察してるうちに半額にまで下げてくれた旅行会社に決めました。サンルイスへのバス会社の隣の隣の会社。どうやら翌日のツアー定員まであと数人だったので埋めたかったようです。言い値50が25レアル(約1,500円)に。ついでに翌日午後発の中距離バスチケットもバス会社で購入しました。
その後、川ぞいをぷらぷら散歩たりしました。透明度はそれほど良くなさそうな川だけど、向こう岸の林の緑とのバランスがとてもきれいでした。川沿いを歩いていくと、今度は砂浜や砂丘のエリアに出ます。砂浜から川を見ると海のように錯覚してしまいます。地元の子供たちが泳いだり、バレーボールやサッカーしたり、砂丘から下へジャンプしたりと遊びまわってました。子供が遊ぶには最高に条件の整った町だと思いました。
そんな子供たちをしばらく眺めてると日が沈み、辺りはすぐ薄暗くなりました。食事は観光客用の店が多く開いてたのですが、安食堂はほとんど午後で閉めてしまうため数軒しか選べません。町中を散歩しながら探した結果、ツアーを申し込んだ旅行会社の裏辺りにあるポルキロレストランにしました。ポルキロとはブラジルではおなじみですが、自分の好きな食事を取って重さで値段が決まるシステムです。ここのは20レアル(約1,200円)/Kg。
もう何度も食べてるので安くするコツは肉の塊を取らない事、炭水化物率を上げることだと知ってます。でも実際に取る時には好きな物をはずすことが出来ないのです。ここのエビは川で取れたものなのか、なかなかおいしかった♪。アイスクリームまで食べてしまい、半Kg分で10レアル(約600円)。まだ満腹じゃなかったので、パンでも買って我慢しようと思いスーパーを探しました。
すると大通りにシュラスコの屋台が出てました。ブラジル名物の串焼き肉シュラスコはもはや大好物なので迷わずに購入。塩味は濃いめだけど、暖かい場所なので塩分はうれしいです。んー、うまいっ!本当にシュラスコはおいしい。しかもライス、生野菜サラダまで付いてるのに、たった2レアル。もっと早く開店してくれたら、ポルキロへ行く代わりにここで3皿くらい食べてあげたのにな。
のどが乾いたので、近くのスーパーでお気に入り炭酸ガラナを買って宿へと帰りました。その途中、日本人(たぶん日系ブラジル人)が道の真ん中でコンサートのようなものを開いてるのを見つけました。大型トラックがステージに変身。聴衆もすごい数でした。ポルトガル語なので言ってる内容はさっぱりでした。宗教がらみか政治関係のような。トラックに書かれた文字だけから解釈するとキリスト教っぽいけど詳細不明。
その日系人のおじさんは日本の政治家とは比べ物にならないくらい、かつぜつ良く話したまに叫びました。何かを訴えてるような雰囲気。しばらく演説が続いた後、関係あるのかどうか、地元民っぽい女性が歌い始めました。ポップスっぽい感じでした。なんだか意味の分からない集会でした。最後まで聞いてるのも大変そうだったので宿へ帰って寝ました。
9/13は、朝食が付いてました。パンとコーヒーだけの簡単なものでした。食後、バックパックを整理してチェックアウトしました。そしてツアーバスがやって来ると乗り込み、ツアー会社へ。バックパックはそこで預かってもらいました。バスオフィスが隣だし。この日のツアー客は老いも若きも混じってたけど、欧米人15人くらいの大人数。欧米人にとっても大人気の国立公園なので最初からテンション高すぎ!
トラックバスごと渡し船で向こう岸へ渡り、そこから約30分の未舗装道ガタガタドライブの後、ついに来ました!レンソイス・マラニャンセス国立公園:Parque Nacional dos Lencois Maranhenses。訪れた旅行者の多くがブラジルベスト1の観光地だと言い、世界中でも上位に入るという人もいました。そして私にとっても間違いなくブラジルベスト1に輝きました。
南米の中では?うーん、自然の風景としてならパタゴニア、南極(旅行写真ブログ)、ウユニ塩湖(旅行写真ブログ)などと並ぶくらいすばらしいです。と、評価を先に書いてしまいましたが、このレンソイス国立公園、本当にすごいの一言!です。バスを降りるとそこは一面真っ白い砂漠。ここからは歩くしかないようです。
宇宙からも見えると言われるくらい、世界一の白い大砂丘なんだそうです。その砂丘の真ん中に池(水たまり)がいくつもあるからまた不思議なんです。普通、砂漠には池などほとんどなく、たまにあるとオアシスと言われるものなんですが、レンソイスにはある時期だけ池が出現するのです。ちなみにレンソイスとは、ポルトガル語でシーツを意味するそうです。確かにこの白さは代えたばかりのシーツのようです。
ところでこの白さも普通の砂漠の黄色っぽい色とは全く違います。この砂漠の砂は、100%石英(セキエイ)の粒なんだそうです。石英は無色のものが集まると水晶になり、紫色のかたまりはアメシストになります。この砂漠の石英は、もともと内陸部の大地から削られたものです。砂漠から100kmも南にある川が大地を削って大西洋まで運びます。海の波によって数万年という気の遠くなるような歳月の間に、少しづつ北へ流されます。
波によって削り磨かれた後、比較的堅い石英だけが残って海岸に打ち寄せられます。そして海から吹く強風が内陸へと運んでいき、レンソイスの白い砂丘が出来上がったんだそうです。人間の短い一生では理解出来ないくらいの年月がこの砂丘を形成しているのです。それだけでも神秘と呼べるのですが、この砂丘の最大の秘密は池にあります。この辺りは半年ごとに雨期と乾期を繰り返します。
1~6月の雨期には、この雨期の間に、砂丘と砂丘の谷間に池が出来るのです。観光に適してるシーズンは6月~9月までと聞いてたのでギリギリでした。雨期の初めにはまだ水が溜まっておらず、観光もままならないくらい雨が降るし道も悪くなるし青空もないそうです。そして10月になると池がほとんどなくなるそうです。でも10月初めに行ったマヤさん、サトシさんも普通に見れたようなので、雨期の雨量に左右されるのかも。
砂漠内にはオアシスもあり、昔からそこで暮らしてる村もあるそうです。観光客が行けるのは、沖縄本島より大きいレンソイス国立公園のほんの端っこだけ。そこでも充分なくらいレンソイス砂丘を満喫出来ますが!。砂丘を登るのは足を取られて結構疲れますが、はだしで歩くと気持ちいい♪。そして目の前に、白い砂丘、エメラルドグリーンの池、青い空が広がった時には、もう……。感嘆とか感動とかいう次元ではありません。
雨期のウユニ塩湖を見た時、感動で頭がおかしくなりそうでしたが、その感覚をここでも味わいました。すごいっ!やばいっ!としか言えない。天国、楽園というのはこんな感じなのでしょうか。本当にすばらしい景色です。この先の旅でこの風景を越えられる場所があるのか不安になるほど。贅沢な心配ですが。砂丘で走り、池では泳ぐことも出来るので水着は必須。暑いのでとても気持ちいいっ。
ゴーグルを持って来たので潜ってみると、なんと小さな魚がいっぱいいます。え?魚?砂漠に?って思いますよね。実はこの魚がレンソイス国立公園で最も不思議な謎なんです。砂丘に池が出来た時だけ出現して、池がなくなると魚もいなくなります。どこから来てどこへ行くんでしょうか。雨期にオアシスとつながって魚が移ってくるとか、渡り鳥が卵を運んでくるとかって説もあるけど。
これらの説では、全ての池に魚が存在する説明は難しいのです。だから最も有力な説は、乾期の間、砂の中で卵として過ごし、水がたまってきたら孵化(ふか)してピチピチ泳ぐというのです。でもそれだと一生が半年しかないので、生まれるとすぐ相手を探し、卵を産んで干上がっていく、という悲しく短い人生ですね。乾期でも砂の中には水分があるので卵のままなら生きられるとか。
ちなみにここにしか存在しない、新種のカメやカエルもいるそうです。カメは池のある間に食べて体に蓄え、乾期の間は心拍数を下げて砂の中で冬眠ならぬ夏眠するらしい。カメは実際に冬眠する動物なので、半年間くらい動けるこの環境には適してるかも。そういえば昔、東京のあほ友人と「砂漠の亀」がいるかどうかを競ったことがありました。私は「そんなのいない」と言い張ったけどこの勝負完敗。。
水中カメラも持ってきたので魚の撮影を試みたけど、砂が舞い上がって水中透明度が悪く、魚も素早く逃げてくのでいい写真を撮影出来ませんでした。砂丘をいくつか越えて、池も3~4つくらいめぐり泳ぎました。砂丘からジャンプして池に飛び込んだり、クルクル回りながらジャボンッという遊びは、レンソイスならではで超楽しい。みんな子供の頃に戻ったようにはしゃいで遊びました。
そして約1時間ちょっとかけて、バヘリーニャスの町へ戻りました。バスの出発時間を過ぎそうで心配だったけど、事前に言っておいたので旅行会社と連絡を取ってくれてたらしく間に合いました。旅行会社に着くとバックパックを受け取り、隣のバスオフィス前からサンルイス行き中距離バスに乗り込みました。最後は忙しかったけど、期待どおりにすばらしかったレンソイス・マラニャンセス国立公園は最高でした!!
Obligado(オブリガード。ポルトガル語)「(最後まで読んで頂き)ありがとうございます」
Boa Noite(ボア、ノイチ。ポルトガル語)「おやすみなさーい」(-_-)zzz「コテッ」